医療機関や脱毛サロンでの脱毛は近年になって栄てきたもので、あまり深い歴史はありませんが、脱毛そのものの歴史は思いのほか古く、脱毛剤は紀元前から存在していました。
史実には残っていませんが、1万年以上前から鋭利な石器や貝殻を使った「脱毛(剃毛)」があったともされています。
日本でも、平安時代には眉毛を剃ったり、額の生え際を脱毛して形を整えたりしていたようです。江戸時代の遊女(遊郭で働く女性)などは、アンダーヘアの処理もしていました。
現在も脱毛後のアフターケアは推奨されていますが、この頃もその概念はあったようで、うぐいすのフンを塗りヘチマ水をつけるようにと言われていたようです。
近年の脱毛方法が確立されるまでに、様々な脱毛方法が模索されてきましたが、中には、肌に刺激の強い(硫酸など)を直接塗りつけ、毛穴に炎症をおこして毛穴をふさいでしまうなどという方法もありましたが、当然脱毛効果はなく肌を傷めてしまうだけという結果になりました。他にも毛穴にばい菌のついた針を刺すなどという方法もあったようです。
現在の脱毛方法の基礎となったのは、19世紀に入り、逆さまつげの治療のために開発された「電気分解法」です。毛穴に針を刺し電気を流し毛根を破壊するという方法ですが、当時は皮膚にも電気が通ってしまうため、痛みが激しいうえに皮膚を傷つけてしまうトラブルが絶えなかったようです。施術時間もかなり長くかかりました。
現在でもこの方法は「ニードル脱毛」として医療機関で行われていますが、毛根だけに通電させる方法がとられているため、肌トラブルに関しては劇的に改善されています。ただ、施術の痛みは現在でも伴うようです。
その後、1980年代に入り、皮膚の疾患治療のために使われていたレーザーを応用した「レーザー脱毛」が開発され、施術時間の短縮や痛みの軽減が実現し、脱毛が広く認識されるようになりました。ちなみに、ミュゼでも使われている光脱毛とレーザー脱毛の違いは、光の出力の違いだけで基本的な方式は同じです。